【高知市】“龍馬の生まれたまち”を歌で未来へ!龍馬生誕190周年の節目にも披露

高知県を代表する偉人・坂本龍馬。志を同じくする仲間と激動の時代を駆け抜けた人物です。表舞台での活躍よりも調整役として奔走した龍馬は、没後190年が経った今も、国内外で多くの人に愛されています。

高知では11月を龍馬月間と定めており、高知市内では龍馬関連のイベントがたくさん行われます。龍馬の誕生日と命日が重なる11月15日には、”龍馬の生まれたまち”にある坂本龍馬先生誕生地記念碑前で、毎年地域の人々などが参加する「龍馬誕生祭」が行われます。今年は今までとはひと味違う取り組みが行われるようです!

新たな取り組みとして生まれたのが、“龍馬の生まれたまちの歌”プロジェクト。地域の絆が深まるように、”龍馬の生まれたまち”の保育園、小学校、中学校と歌い継いでいけるような歌を作りたいという思いからスタートしました。龍馬の生まれたこのまちへの愛情と未来への希望が込められた一曲です。龍馬生誕190周年となる節目の年に、地域の想いを乗せた歌声が響きます。

“龍馬の生まれたまちの歌”プロジェクトとは

龍馬の生まれたまち記念館

坂本龍馬が生まれたのは、現在の高知市上町(かみまち)周辺エリア。町のあちこちに坂本家ゆかりの史跡が残り、「龍馬の生まれたまち記念館」などもあって、龍馬のふるさとを感じられる場所として多くの人が訪れます。毎年11月15日の誕生日には、誕生地記念碑の前で「龍馬誕生祭」が開かれ、地域の恒例行事として長年親しまれてきました。

“龍馬の生まれたまち”にある高知市立第四小学校の校長や児童も、毎年「龍馬誕生祭」に参加しています。第四小学校に赴任して3年目の校長先生は、誕生祭に参加する中で「保育園・小学校・中学校の子ども達と地域をつなげるような、もっと龍馬さんらしい行事にできないだろうか」と感じたそうです。

これまでの「龍馬誕生祭」では、献花やあいさつに加え、小学校代表児童が「龍馬への手紙」を読んだり、地域の保育園の子どもたちが演奏を披露する場面もありました。「せっかくであれば、”龍馬の生まれたまち”で暮らす子ども達が、保育園、小学校、中学校へと歌い継いでいける、”龍馬の生まれたまち”にふさわしい歌を作れないだろうか」――その思いが、“龍馬の生まれたまちの歌”プロジェクトを立ち上げるきっかけとなりました。

校長先生を中心に、学校の先生や地域の大人たち、地域学校協働本部の支援を受けながら準備が進み、2024年秋ごろから、“まちの歌”づくりがスタート。歌い手として、第四小学校の「龍馬クラブ」のメンバーや有志の児童が参加し、放課後やクラブ活動の時間、夏休みから練習を重ねました。

誕生した曲のタイトルは『”TSUBASA”〜龍馬さんが生まれたこのまちで〜』。龍馬という偉人をたたえるのではなく、「龍馬の生まれたまちから未来へ羽ばたく」子どもたちの姿を重ねた歌になっています。龍馬生誕190周年の節目の年に誕生したこの曲には、地域への想いと未来への希望が込められています。

“龍馬の心”を学ぶ「龍馬クラブ」

第四小学校には「龍馬クラブ」というクラブがあります。その名の通り、坂本龍馬について学ぶためのクラブで、2024年度に新しく発足しました。龍馬が生きた時代や考え方を通して、郷土や人との関わり方について深く学んでいくクラブです。

龍馬の生まれたまち記念館

近年、子どもたちは英語やプログラミングなど、学ぶ内容が多様化し、授業で龍馬を学ぶ機会が減ってきたといいます。第四小学校の校歌にも登場する坂本龍馬を学ぶ時間が少ないのは、“龍馬の生まれたまち”にある学校としては少し寂しい――。そう話すのは、第四小学校の地域学校協働本部長の道願光太郎(どうがん こうたろう)さんです。
定期的な学習の機会を作って、子どもたちに少しでも龍馬の歩んだ人生に興味を持ってもらいたいとの思いで、道願さんは学校側にクラブの設立を提案。そして2024年度、新たに「龍馬クラブ」が新設されました。

龍馬クラブの子供たち

校長先生発案の“龍馬の生まれたまちの歌”プロジェクトと、道願本部長が発足した「龍馬クラブ」は、それぞれ別々のタイミングで始まったものですが、“龍馬を、そして龍馬の生まれたまちを、子どもたちの未来へ残したい”という想いが重なり、今回のプロジェクトには「龍馬クラブ」のメンバーも多数参加しています。

作詞・作曲を手がけた、しまむらかずおさんの想い

“龍馬の生まれたまちの歌”の作詞・作曲を担当したのは、高知市在住のシンガーソングライター・しまむらかずおさん。
高知市職員として青少年育成や社会教育、市民活動などに携わりながら、音楽を通して人と人をつなぐ活動を続けてきました。

しまむらさんはかつて、自作曲『RYOMAサンバ』で「坂本龍馬生誕150年記念音楽祭・龍馬のうた大賞」を受賞した経験があります。今回の“龍馬の生まれたまちの歌”プロジェクトへの参加について、「また龍馬に関する歌をつくることになるなんて、まるで運命のようだと感じました」と語ってくれました。

楽曲の制作依頼があったのは2025年5月ごろ。メロディはすぐに頭に浮かんだものの、詞づくりでは少し悩んだ場面もあったといいます。
今回のテーマは“龍馬”という偉人ではなく、“龍馬の生まれたまち”。しまむらさんにとっては実際に暮らす町ではなかったため、子どもたちと一緒に「龍馬の生まれたまち記念館」を訪れたり、“龍馬”に対する子どもたちのイメージを聞き取ったりと、試行錯誤を重ねながら言葉を紡いでいったそうです。

そうして完成したのが『”TSUBASA”〜龍馬さんが生まれたこのまちで〜』。
路面電車や鏡川など、“龍馬の生まれたまち”を象徴する情景を盛り込み、昔から歌われていたかのような懐かしい雰囲気の一曲になりました。
坂本龍馬生誕190周年の節目の披露に向けて、子どもたちは今日も練習に励んでいます。

龍馬生誕190周年の節目に披露へ

昨年2024年度から始まった“龍馬の生まれたまちの歌”プロジェクト。楽曲が完成した今年2025年は、坂本龍馬生誕190周年という節目の年にあたります。

完成した『”TSUBASA”〜龍馬さんが生まれたこのまちで〜』は、2025年11月15日に行われる「第47回 龍馬誕生祭」で披露される予定で、”龍馬の生まれたまち”に、子どもたちの歌声が響きます。

さらに翌週、11月22日に県民文化ホール(オレンジホール)で開催される「第37回 龍馬World 東アジア大会」でも披露が予定されています。今年はタイ・バンコク会場とオンラインでつながる国際的なイベント。NHK大河ドラマ『龍馬伝』の演出家で映画監督の大友啓史さんを招いた基調講演もあわせて行われます。

高知市上町にある坂本龍馬生誕の石碑bの周辺の様子
坂本龍馬といえば、高知が誇る幕末の志士。誕生日と命日が同じ11月15日ということもあり、この時期には例年多くの …

“龍馬の生まれたまち”から未来へ――歌がつなぐ人と想い

“龍馬の生まれたまちの歌”プロジェクトは、地域の人たちや保護者、企業、団体のあたたかい協力によって少しずつ形になってきました。関わる人が増えるたびに、「この歌を未来へ残したい」という思いの輪も広がっているそうです。

今後は、地域の施設や病院、旅館、銀行などでも楽曲が流れる予定です。まちを歩いていると、どこかでふと耳に届く――そんな“まちの歌”として、暮らしの中に根づいていくのかもしれません。

”龍馬の生まれたまち”で、子どもたちが歌い、大人たちが支え、地域全体で育てていく一曲。坂本龍馬生誕190周年の節目に生まれたこの歌は、世代をこえて人々の心に残る“ふるさとのメロディー”になっていきそうです。

号外NETの広告出稿はこちら

号外NETメルマガ

号外netは持続可能な開発目標(SDGs)を支援します

号外netへの提供提供求む!